後期研修

後期研修を受けない、しないってどう?

更新日:

最近の若手医師の中には、後期研修をそもそも受けない、しないという選択を取る人もいます。

僕自身は、かなり悩んだ結果とりあえず後期研修をする事にしましたが、周りでは後期研修を受けない人も結構います。

多くの場合は

  • 都内で美容外科
  • 都内で美容皮膚科
  • 地方でバイトざんまい

のどれかにあてはまります。

後期研修を受けない、しないという選択を取ると、人生がどう進んでいくのでしょうか。

まずは後期研修を受けない、しない事のメリットとデメリットについて考えます

 

後期研修を受けない、しないメリット

後期研修を受けない、しないメリットは

  1. 経済的に豊か
  2. 自分で自由に働き方を決める事ができる
  3. 専門医取得や学会発表などの雑務を省略可能
  4. 医師以外の道を模索する時間がある

の4つです。

 

後期研修を受けないメリット1、経済的に豊か

これは誰もが理解できると思います。

現状では後期研修をせず、バイトをメインで仕事を組めば、まあ年収1500万〜2000万はカタいです。

当直代1万円とかで、後期研修をするより、間違いなく後期研修を受けない方が経済的には豊かです。

しかし、長期的に見るとどうか、という視点はあります。

特に稼げる科では、専門医を取得してからガッツリ稼いだ方がトータルで得である可能性も。

なのでここでは、後期研修をうけない、しない選択をすると

  • 少なくとも若い内は経済的に豊か

だとしておきます。

 

後期研修を受けないメリット2、自由

後期研修を受けない事によりメリットは、これが大きいかもしれません。

自由。

週3働くでも、週7働いて次の週にお休みして旅行に行くでも、好きなように生きる事ができます。

自分で仕事の裁量を決める事ができるのは、かなりのストレスフリー。

代え難い自由を得られるでしょう

 

後期研修を受けないメリット3、専門医取得や学会発表などの雑務を省略可能

後期研修を受けない、しないという事は、専門医を取得しないという事です。

であれば、面倒な書類作成、症例集め、学会発表はやらなくて済みます。

時間と手間は、ここでも省略されます。

 

後期研修を受けないメリット4、医師以外の道を模索する時間がある

以上から

  • お金があって
  • 自分でどれくらい働くか決める事ができて
  • 雑務をしないため時間的に余裕がある

ため、医師としての労働や医学に割り振る時間以外の時間を、他に当てる事ができます。

普通は、そこを自分のキャリアのために使うでしょう。

であるのならば、例えば医師以外の道を模索するとか、本気で絵を描くとか、何かしら自分のやってみたい事に挑戦する時間があるという事。

1人の人間の人生としては、厚みが増すのかもしれません

 

後期研修を受けない、しないデメリット

次に後期研修を受けない、しない事のデメリットについて考えます。

  1. 専門医を取得できない
  2. 将来的に医師として働き続ける事ができるか微妙

この2つが、デメリットだと言えます。

 

後期研修を受けないデメリット1、専門医を取得できない

専門医を取得できない事は、後期研修を受けない事による大きなデメリットの1つです。

特に

  • 将来的に開業する予定
  • 専門医を取得するのが容易な科

であれば、専門医を取得しない事によるデメリットがより際立ってしまうでしょう。

 

後期研修を受けないデメリット2、将来が不安定

後期研修を受けない、しないという事は、一言で言えば「人脈も資格も捨てて医師として生きて行く」わけです。

将来的に医師として働くイスが残っているのか、という事についてはやや微妙です。

少なくとも、1番最初に削られる労働力ではあるでしょう

 

後期研修を受けない、しないという選択が有利な場合

今までの話を総括して、網羅的に考えます。

後期研修を受けない、しないという選択が有利な場合は、どういう場合でしょうか。

それはメリットの影響が大きく、デメリットの影響が少ない場合です。

具体的には

1、経済的に豊か
→教育ローンが残っていて、早めに返済したい
→兄弟が多く、実家に仕送りをしたい

2、自分で自由に働き方を決める事ができる
→体が弱く、ハードな働き方ができない
→育児中で時間が欲しい

3、専門医取得や学会発表などの雑務を省略可能
→雑務を非常にストレスに感じる

4、医師以外の道を模索する時間がある
→他にやりたい事がたくさんある

という場合には、後期研修を受けない事によるメリットが大きいです。

一方で

1、専門医を取得できない
→専門医が無くてもやっていける科、医療過疎地域で働いている

2、将来的に医師として働き続ける事ができるか微妙
→配偶者も高年収で、最悪自分が働かなくても死にはしない

という場合だと、後期研修を受けない事によるデメリットが小さいです。

この場合は、後期研修を受けない、しないという選択肢も場合によっては合理的です

 

後期研修を受けない、しないという選択が不利な場合

後期研修を受けない、しないという選択が不利な場合は、メリットの影響が少なくデメリットの影響が甚大な場合です。

具体的には

1、経済的に豊か
→実家が金持ちなのでお金はいらない

2、自分で自由に働き方を決める事ができる
→仕事以外の時間はあまりいらない

3、専門医取得や学会発表などの雑務を省略可能
→雑務が苦じゃない

4、医師以外の道を模索する時間がある
→他にやりたい事が無い

という場合には、後期研修を受けない事によるメリットが小さいです。

一方で

1、専門医を取得できない
→専門医がないとやっていけない科、地域で働いている

2、将来的に医師として働き続ける事ができるか微妙
→自分が稼ぎ頭で、実家には小さい兄弟もいて仕送りをしないといけない

という場合だと、後期研修を受けない事によるデメリットが大きいです。

この場合は、後期研修をキッチリ受けた方が良いでしょう。

自分にとってのメリット、デメリットを把握して、合理的な選択をしましょう

 

いきなり「後期研修をしない、受けない」と決断できない人は…

とはいえ

いきなり後期研修をしない、受けないという決断はできない!

という方が大半だと思います。

僕もそうでした

僕がこの時やったのは

後期研修をしながら自分でバイト先を見つける

という事です。

決断できないのは、自分に自信がないから決断できないわけです。

実際に自分がどれくらいの価値のある人材なのか、身を以て体験してみましょう。

多くの場合、後期研修医の自分がこんなに価値のある人材なのかと、驚くと思います

個人的に使いやすくてオススメのサイトは医師バイトドットコムというサイトです。



 

最初はおそるおそる定期非常勤のバイトを1つ、確保しました。

少しずつ余裕が生まれて、最終的に自宅から近いバイト先を複数確保して、かなり心理的な余裕が生まれました。

とりあえずバイトから始め、道を作る

というのが、最も現実的かもしれません。

 

-後期研修

Copyright© キャリアの外来 , 2024 All Rights Reserved.