後期研修をどの病院で行うかって、非常に悩ましいですよね。
あまりにも、検討すべき要素が多過ぎます。
- 上級医
- 症例数
- 当直
- 給料
- 医局
など、要素をあげればキリがありません。
後期研修、病院の選び方
まず、後期研修選びで要素としてあげられる
- 上級医の数
- 症例数
- 当直回数
など、いわゆる研修の充実具合を表しそうな指標については、無視しましょう。
確かに、後期研修を充実させる上で重要な要素ではありますが、これらは「実際に体験してみないとわからない」物です。
事前に知り得たとしても、それは他者の意見であり、有名研修病院が「誰に取っても良い後期研修」を提供してくれるわけではありません。
しかしながら、見学できる後期研修先の病院は限りがあります。
自分の目で見て、体験して確かめる事ができる病院の数には、限りがあるわけです。
本当は
全ての病院を見学し、体験し、これらの要素を自分で評価する
事が最高ですが、それは不可能です。
あくまでこれらの要素は、まあ軽く見学して肌で感じて、飛び抜けてひどい場合はやめて、飛び抜けて良い場合は真剣に検討する、くらいで良いのではないでしょうか。
後期研修は給料で選ぶな
次に検討すべき内容として、給料が挙げられます。
後期研修医になると、給料は少し上がることが多いですが、地方の病院で初期研修をしていた人からすると、場合に良ては下がるかもしれません。
なぜならば、後期研修医はバイトができるからです。
給料が足りないのならば、補充すれば問題ありません。
例えば年収で100万違っても、1回10万円の当直バイトを月1回やるだけで、その差額は埋める事ができます。
極端な事を言えば
- 忙しい後期研修病院、年収1000万円
- ヒマな後期研修病院、年収700万円
という2つの病院があったとして、2の病院の「ヒマ」具合によってはバイトを週2くらいで組んでしまえば、1の病院を上回るかもしれません。
その選択は、後期研修を開始してみて、後から決める事ができます。
例えば1の病院に行くと、選択肢はありません。しかし2の病院では、ゆるく働いて700万をもらうか、バイトを詰め込んで忙しくしてガッツリ稼ぐか、後出しジャンケンで決める事ができます。
単純に、後期研修先を給料で選ぶのは、愚の骨頂です。
後期研修で入局しない、医局に入らないという選択
後期研修を始めるにあたって、最も悩むのが
- 入局するかどうか
つまり医局に入るか入らないか、という事ではないでしょうか。
後期研修で入局しない、医局に入らない事のデメリットとは、一体何でしょうか。
ザックリと言ってしまえば
- 働き口の制限(医局の支配領域では働けない)
- 専門医取得の壁(医局に入らないと専門医を取得できない)
という2つがあると思います。
これらのデメリットが、「専門科」と「地域」によって、どれくらい大きな影響になるのか、はたまた大した事のない小さな影響になるのか、考えてみましょう。
後期研修で入局しない、医局に入らないという選択がナシな場合
後期研修で入局しない、医局に入らない事によるデメリットが大きい場合、その選択はナシです。
どういった場合か。
それは
- 入局しないと働き口が無い地域
- 入局しないと専門医を取得できない科
という2点に集約します。
医者が勝手に集まる都心部の場合は、医局による影響が大きいと言えます。
また東よりも西の方が、その影響は強いと耳にします。
地方によっては、医師と患者のバランスがすでに崩れて、地方であるにも関わらず医師がダブついていて医局による影響が大きい、という地方もあるそうです。
山陰地方では高齢化が進み過ぎて人口減少が激しく、相対的に医師が余ってきていると聞きます。
次に、専門医を取得するにあたって医局に入る必要がある科の場合
医局に入らない=専門医を取得できない
という事ですので、大きなデメリットです。
後期研修で入局しない、医局に入らないという選択がアリな場合
後期研修で入局しない、医局に入らない事によるデメリットが小さい場合、その選択はアリです。
上記のパターンの逆ですね。
- 医師の供給よりも、需要が相対的に大きい地域
- 専門医を取得するにあたって、必ずしも入局する必要が無い科
この2つを兼ね備えている場合、後期研修で入局しない、医局に入らないという選択もアリでしょう。
逆に都市部の眼科とかは、後期研修で入局しないという選択はあり得ないですね。